Bard(バード)がついに日本語対応!日本語での応答精度や速度を検証
2023年5月12日
Googleの対話型AI「Bard」がついに日本語対応したと2023年5月11日に発表されました。
これまでのBardは利用言語は英語のみでした。
そのため日本語でやり取りするには、聞きたい質問を英訳して投稿し、応答結果を和訳する必要がありました。
今回、Bardが日本語対応できるようになったので、実際にBardで日本語投稿を試してみました。
Bardが日本語入力の対応を発表
2023年5月11日にGoogleが開発している対話AI、Bardが日本語に対応したことを発表しました。
Bardは3月に公開されたタイミングでは、英語しか対応していませんでした。
Googleが発表した情報によると、英語(米国)に加えて、日本語と韓国語でもBardを利用できるようになったとあります。
個人的には文法の類似性があり、公用語も多いフランス語やスペイン語が先に対応されると推測していました。
そう考えていたので、英語の次に日本語が2番目に採用されたことに驚きました。
日本からアクセスで日本語表示に
日本からBardのページ(bard.google.com)にアクセスしたところ、日本語表示になっています。
これまでの場合、英語で表示されていました。
今回の日本語対応によって、接続元が日本だった場合は日本語に自動的になっています。
Bardが英語表示だった時に比べ、より日本人に使いやすくなりました。
Bardに日本語で投稿してみた
実際にBardに日本語の入力プロンプトを投稿し、どのような応答結果が返ってくるのか検証してみました。
「Google Apps Scriptの特徴について教えてください」
という日本語プロンプトを投稿した結果、Bardの応答結果が以下です。
Google Apps Script(GAS)は、Googleが提供するプログラミング言語です。GmailやGoogleカレンダー、Googleドライブなど、Googleのさまざまなサービスと連携して、自動化やカスタマイズを行うことができます。
GASの特徴は次のとおりです。
- 低い習得難易度:JavaScriptをベースとした言語であるため、JavaScriptの経験があれば比較的簡単に習得できます。
- 幅広いサービスとの連携:GmailやGoogleカレンダー、Googleドライブなど、Googleのさまざまなサービスと連携できます。また、TwitterやLINEなどの外部サービスとも連携可能です。
- 豊富なライブラリ:GASには、データの操作やグラフの作成、メールの送信などを行うための、さまざまなライブラリが用意されています。
- 無料で使用可能:GASは、Googleアカウントとブラウザがあれば無料で使用できます。
GASは、以下のようなさまざまな用途で使用されています。
- 業務の自動化:GASを使用して、データの入力や集計、メールの送信などの業務を自動化することができます。
- カスタムアプリケーションの開発:GASを使用して、独自のカスタムアプリケーションを開発することができます。
- データの分析:GASを使用して、GoogleスプレッドシートやGoogleデータスタジオに保存されているデータを分析することができます。
- マーケティング活動の自動化:GASを使用して、メールマガジンの送信やキャンペーンの追跡などのマーケティング活動を自動化することができます。
GASは、Googleのさまざまなサービスと連携して、自動化やカスタマイズを行うことができる、汎用性の高いプログラミング言語です。低い習得難易度と豊富なライブラリにより、幅広い用途で使用することができます。
日本語の文章としても自然な形で、内容的にも正確性が高い文章でした。
さらに、Bardでは1度のやり取りで複数の応答結果を用意してくれます。
Bardにプロンプトを投稿すると複数の応答結果が同時に出てくるので再リクエスト不要で、すぐに他の回答案も確認できます。
他の回答案では着眼点が異なる形で同じようにGASの特徴を説明してくれています。
このように日本語でもBardはブログ利用などでも利用できるレベルの応答結果を返答してくれています。
日本語のBardの応答精度を検証
続いてBardの日本語での応答精度を検証するため、科学者のニュートンについて尋ねるプロンプトを投稿してみました。
こちらに記載された情報は生年から没年まで正しく情報なっており、ニュートンの業績についても正しい内容を返してくれています。
公開されているBardの言語モデルはコスト削減のため、サイズをコンパクトにしたものですが、それでも一般的な情報を聞く分には十分です。
ただ、主に対話AIで企業情報などの調査で利用する際には、数値の妥当性は担保されていないため、注意しましょう。
Bardの日本語での応答速度はどれぐらい速い?
ではBardの日本語での応答速度はどれぐらいでしょうか?
実際にBardの日本語プロンプトを投稿し、応答結果が返ってくる速度を調べてみました。
今回投稿した2つの文章では、それぞれBardの応答時間は6秒、7秒でした。
体感的には有料版のChatGPT Plusよりと同じぐらいで、GPT-4よりも高速という印象です。
比較的高速でBardは返答を生成してくれるので、待ち時間のストレスなく利用することができます。
無料版ChatGPTとの速度・性能を比較
Bardは無料で利用できる対話AIということで、競合となるChatGPT(無料)と速度や性能を比較してみました。
Bardでも同じようにGoogle Apps Scriptの特徴について同じプロンプトを投稿し、応答にかかる時間や応答結果を検証します。
応答時間についてはBardよりもChatGPTの方が応答結果を出力するまでに時間がかかりました。
そのため、現時点ではBardの方がChatGPTよりも応答速度は高速でした。
ChatGPTが生成した応答結果については、Bardと精度の面では変わりなく、生成されたテキストが多く生成されました。
ただ、ChatGPTでは生成結果が途中で止まってしまい、続きを促す必要がありました。
Bardの場合は1度の応答結果で文章が簡潔しているため、コピペして手軽に扱えますが、ChatGPTの応答結果が切れてしまうとつなぎ合わせる手間が発生します。
そのため、高速・手軽に生成系AIを利用したい場合はBardがおすすめです。
まとめ・終わりに
今回、2023年5月11日よりGoogleの生成系AI「Bard」が日本語対応したことを紹介しました。
Bardは3月に公開されたタイミングでは英語しか利用できず、4月末に日本から利用できるようになった際も英語のみでした。
しかし、Bardの日本語対応によって、日本からbard.google.comにアクセスすると日本語で表示され、プロンプト投稿や応答文も日本語になりました。
無料のChatGPTに比べ、そこまでの精度の違いはない上、速度面ではBardが上回っています。
さらに他の回答案をすぐ切り替えることができたり、回答が途中で切れることがないため、ChatGPTよりも利用しやすいです。
ただ、無料のChatGPTのほうが詳しく応答結果を返してくれることもあるので、BardとChatGPTの強力な2つの対話型AIをうまく使いこなしましょう。
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