GmailやGoogleドキュメント、スプレッドシートに生成系AIを搭載予定と発表
グーグルが3月15日にGoogle Workspaceのアプリ群に生成系AIの機能を搭載予定であると発表しました。
以前ChatGPTに対抗してBardという対話AIを開発中と公表しています。
そうしたBardをGoogleのGmailやGoogleドキュメント、スプレッドシート、スライド、Google Meetで活用できるようになります。
Googleが発表した生成系AIの活用事例や、利用できるようになるスケジュールを解説します。
Google Workplaceで生成系AI導入予定と発表
グーグルは日本時間2023年3月15日にGmailやGoogleドキュメント、スプレッドシートに生成系AIの新機能を実装すると発表しました。
A new era for AI and Google Workspace(Youtube動画)
以前、ChatGPTに対抗したBardという対話型AIを発表しましたが、BardをGoogle Workspaceに応用した生成系AIと推測されます。
Googleが開発中の対話型AI「Bard」については以下の記事で解説しています。
現在はこれからテストを行う段階となっており、一部の英語版Google Workspaceユーザーにテストしてもらう方針です。
年内にはグーグルワークスペースを利用しているユーザー向けに公開予定と報道されています。
マイクロソフトのGPT-4導入に対抗か
今回のGoogleのGmailやGoogleドキュメントへの生成系AIを搭載予定との発表は競合であるマイクロソフトを意識したものと考えられます。
ほぼ同じタイミングでマイクロソフトはMicrosoft 365 Copilotを発表しました。
これはChatGPTで有名なOpenAIが3月に発表したGPT-4をワードやエクセルなどのOfficeに搭載したものです。
こうした競合の展開を見据え、GoogleもGmailやドキュメント、スプレッドシートなどで自社開発のAIが使えることを発表したと考えられます。
Googleの生成系AIができること
Google Workspaceで利用できる生成系AIは、各サービスでこれらのような利用ができるようになるとGoogleが発表しています。
- Gmail:メールの下書き、返信、まとめ、優先順位をつける
- Googleドキュメント:AIとのブレスト、校正、執筆、リライト
- Googleスライド:画像、オーディオ、ビデオを自動生成して利用
- スプレッドシート:自動補完、数式生成、文脈に沿った分類、生データからの分析・予測
- Google Meet:新しい会議背景の生成、ノートの記録
- Google Chat:案件進行に必要なワークフローを実現
Gmailなどでは今でも簡単な返信文案を作成してくれていますが、さらにパワーアップした返信ができる見込みです。
スプレッドシートの自動補完もさらにパワーアップするとともに、データ分析や今後の予測までAIが生成してくれます。
これらの中からビジネスでも利用頻度が高い、GmailとGoogleドキュメントでまず生成系AIの導入が進められるとのことです。
Googleドキュメントの生成系AI活用事例デモ
先行導入が進められるGoogleドキュメントでは、生成系AIの利用シーンのデモが公開されています。
このように「Help me Write」と表示され、そこに地域営業担当社の求人をリクエストすると、求人票のドラフト版をあっという間に生成系AIが作成してくれます。
あとは、企業名などを修正して、細かな内容をチェックするだけで、求人票を作成できます。
このGoogleドキュメントの生成系AIを利用することで文書作成時間を大幅な削減が見込めます。
英語版の一部テスターユーザーに先行提供
なお、Google社の発表によると、現時点では生成系AIは提供されていません。
私もGoogle Workspaceの有料版アカウントでGoogleドキュメントを確認しましたが、デザインの変更のみで生成系AIは追加されていませんでした。
今後英語版Google Workspaceの信頼できるユーザーにテスターになってもらう予定とのことです。
そのため、2023年3月15日時点では、あくまでGoogle Workspaceの新機能である生成系AIは、あくまで提供予定であると発表したに過ぎません。
2023年内にGoogle Workspaceユーザーに生成系AI提供予定
上記で紹介した通り、グーグル社の発表は開発中の生成系AIに関する今後のロードマップを発表した状態です。
そうした英語ユーザーのテスターを経て、年内に一般向けに公開されるスケジュールになっています。
さらに、今後開始されるのは英語版Google Workspaceのユーザーによるテストです。
英語と大きく文法ルールが異なる日本語の場合は、ローカライズする必要があります。
そのため、2023年内に生成系AIが日本のGoogle Workspaceに公開されるかは不透明です。
前述で紹介したChatGPTに対抗したGoogleのBardも、「数週間で一般公開予定」と発表したものの、一般公開が遅れていました。
Google Workspaceの生成系AIでも遅れる可能性は十分にありえますので、じっくり登場を待ちましょう。
まとめ・終わりに
今回、2023年3月15日に「Google Workspace」に生成系AIの新機能が実装予定と発表されたので、どういった機能か、いつごろリリースされるかスケジュールを紹介しました。
おそらく競合のマイクロソフトに遅れを取らないよう、これからテストを行うタイミングで発表したと推測されます。
Google Workspaceのから、GmailとGoogleドキュメントで生成系AIが導入され、メールの返信案や下書き、書類のドラフトを作ってくれるようになるそうです。
2023年内の提供とのことですが、これからテストが行われるため、実際には遅れるかもしれません。
ただ、GmailやGoogleドキュメント、スプレッドシートなどを使っているユーザーにとっては間違いなく便利なので、一般公開が待たれます。
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