Perplexity.AIとは?出典を明記してChatGPTより時事性の精度が高い応答AI
2023年になってtext2textの生成系AIサービスが大流行していますが、その中で注目度が高まっているのがPerplexity AIです。
Perplexity.aiはウェブクローリングした情報を要約する生成系AIで、出典ソースを明記するとともに、時事性のある質問にも正しく回答してくれます。
Perplexity.aiのサービス概要について説明した上で、ChatGPTとの違いや強み、また使用する際の注意点など解説します。
Perplexity AIとは?
Perplexity AIは2022年12月に発表された世界初の会話型検索エンジンのサービスです。
ChatGPTと異なりアカウント作成不要で、サインインしなくとも利用可能です。
Google検索のようなシンプルなUIで「Ask anything」という入力フォームから質問文や調べたいことを入力すると、それに対する応答結果を返してくれます。
2022年12月に発表されましたが、その当時はChatGPTが大流行していて、そこまで知名度はありませんでした。
しかし、2023年1月20日にメジャーアップデートしたことで、応答性能が極めて高くなったことで、にわかに注目を集めている生成系AIです。
出典も明記して文章生成するAI
Perplexity AIの特徴は、応答結果の文章に対し、出典となるソース情報も明記してくれる点です。
以下の図のような問い合わせのプロンプトを入力した際に、各記述に対してどういった情報をソースにしたか、出典が明記されています。
ChatGPTの場合、自然な日本語でそれらしい応答を返してくれますが、実はウソ・デタラメだったりすることがあります。
ChatGPTでも「出典を明記」するようプロンプトに指示を入れれば、出典も出してくれますが、わざわざプロンプトに盛り込まなければなりません。
それに対して、Perplexity.AIはそうした指示をしなくても出典情報を明記することができます。
応答検索サービスという触れ込みの通り、追加で質問できるよう関連ワードや、追加入力ができるUIになっています。
一度にほしい情報が出なくても、追加リクエストしてどんどん情報を集めることができます。
時事性のある内容はChatGPTよりも応答精度がよい
ChatGPTは予め収集された情報にもとづいて自然言語処理GPTモデルが構築されています。
収集された情報の学習は2022年初期に完了しているため、情報としては2022年後半などに起こった情報は含まれておりません。
それゆえにそうした時事性のある問い合わせには、それっぽい文章でウソをつく形で返答しています。
それに対して、Perplexity AIは主にウェブクローリングを高速に行う技術によって、ネット上にある情報をまとめてきて要約した文章を返してくれます。
そのため、最近の話題を尋ねた際にはChatGPTよりもPerplexity AIのほうが応答精度が高いです。
例えば、映画版スラムダンクの公開日を尋ねたところ、正しい公開日を回答してくれました。
このようにPerplexity.aiはChatGPTと比較して、時事性のある質問に対して優位性がある生成AIです。
※ChatGPTは2023年3月20日公開と、デタラメな回答をしました。
出典付きでも日本語翻訳で間違うパターンも
なお、Perplexity.aiは出典付きで信頼性を担保しているとありますが、応答結果が間違っているケースもあります。
上記は徳川家康の生涯についてPerplexity.aiに尋ねた結果です。
1行目に徳川家康が亡くなった日時と場所が書かれていますが、駿府ではなく住吉になっています。
もしかしたら、出典元ソースに誤りがあって間違えたのか、リンクをクリックして確認してみました。
赤線を引いた箇所に死亡に関する情報がありますが、きちんと「Sumpu=駿府」と書かれています。
他の日時の情報は正しいため、Sumpuを住吉と誤解して回答したと推測されます。
それゆえに出典ソースがあるからといって、Perplexity AIの回答を信用してはいけないという一例です。
ある意味、AIから「出典があるからといって、情報が正しいとは限らない」ことを教えてもらえているのかもしれません。
入力によっては応答文が英語になることも
Perplexity.aiは前述した通り、日本語にも対応しており、日本語でプロンプトを入力すると日本語で応答してくれます。
ただ、時々日本語テキストを質問や依頼文を入力したにもかかわらず、応答結果が英語のケースがあります。
本多忠勝の生涯という入力プロンプトに対する応答文は、本多忠勝のみ日本語であとは英語になってしまっています。
こうした場合は、「日本語で解説してください。」なども入力プロンプトに追加することで日本語で応答を返してくれます。
Perplexity.aiに尋ねた際に、応答結果が英文になってしまった場合は、上記のようにプロンプトを工夫して日本語のアウトプットが出るように指示しましょう。
Perplexity.aiを入力時の注意点
Perplexity.aiの質問を日本語で利用する際には注意したいポイントがあります。
- 日本語入力時にエンターキーでプロンプトが送信される
- 引用元に記載がない間違いを記載することも
日本語入力時にエンターキーでプロンプトが送信される
それはひらがなや漢字が入力できる日本語モードでエンターキーを押すと質問文の入力途中で投稿される点です。
ひらがな入力→漢字に変換→エンターキーで確定という流れを実行すると、入力文が送信されてしまいます。
そのため、変換結果に確定する際にはエンターキーではなくタブキーを使うことで誤送信を防止できます。
もしくはPerplexityに入力途中で質問文が投稿されないようにするため、メモ帳などで入力し、コピペするのがオススメです。
この方法なら入力途中で投稿されるのを確実に回避できます。
引用元に記載がない間違いを記載することも
前述した徳川家康の場合は、引用元のSumpuを住吉と誤解してしまい、死亡した場所がおかしくなりました。
それ以外にも引用元にも書かれていない記載で間違いをすることもあります。
先程の本多忠勝について尋ねた文章ですが、最後の文章で「関ヶ原の戦いでは徳川軍が敗北したが、本多忠勝は戦死することなく逃亡した。」とあり、史実と異なります。
もしかしたら、出典とした記事が誤っていたかもと思い、ソースと書かれた記事を確認しました。
本多忠勝はどんな最期を迎えるの?関ヶ原から最期まで分かりやすく解説(はじめての三国志)
1600年の関ヶ原の戦いでは、徳川家康の本陣にいました。
本多忠勝の嫡男が忠勝の部隊を率いていました。本陣では吉川広家きっかわひろいえらを東軍につける工作活動で活躍しました。
関ヶ原の戦いでの活躍が家康に認められ、伊勢国桑名に移され、10万石になりました。本多忠勝は伊勢国の桑名藩藩主になると城郭の修理と宿場の整備を行い、街づくりに力を入れました。
出典ソースにはない誤りの情報がなぜ出てきたのか?原因は分かりませんが、出典を明記しているからといって、出典のままの情報ではないことを留意しておかねばなりません。
Perplexity.aoのAPIは存在している?
Perplexity.aiはChatGPTほど細かな指示ができませんが、出典を明記してくれるので、ChatGPTよりも安心です。
そんなPerplexity.aiがAPIで使用できると、色々な活用が考えられます。
しかし、2023年1月30日時点でPerplexity.aiはAPIを提供していません。
そのため、Perplexity.aiのウェブページを入力する形でのみ利用できます。
まとめ・終わりに
今回、2022年12月に公開された生成系AIサービス「Perplexity.AI」を紹介しました。
Perplexity.AIは2023年1月にメジャーアップデートされ、出典を明記するところや時事性のある質問も回答できる点でChatGPTにはない強みで注目を集めています。
実際に使ってみたところ、最近公開された映画の公開日なども正しく回答してくれ、ChatGPTにはない強みがあります。
ただ、日本語ではなく英語で応答文を返す頻度はChatGPTよりも多いため、プロンプトの工夫が必要です。
ChatGPTとPerplexity.AIをうまく使い分けることで、情報収集を上手く効率化しましょう。
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