Googleオプティマイズが2023年9月30日にサービス終了(無償版・有償版ともに)

2023年1月21日

グーグルが提供するウェブサイトのABテストツールである「Googleオプティマイズ」が2023年9月30日にサービス終了すると、ヘルプページで発表しました。

突如の発表にGoogleオプティマイズを利用していたユーザーから動揺の声がSNSで上がっています。

無料で使える無償版Googleオプティマイズに加え、有償版もサポート終了し、移行が進むGA4でオプティマイズ連携しても、2023年9月30日以降利用できなくなります。

Googleオプティマイズのサービス終了を発表

日本時間で2023年1月21日午前6時ごろに、Google Marketing Platformのヘルプページにて、Googleオプティマイズが2023年9月30日にサポート終了すると発表されました。

グーグルが提供するウェブサイト向けのABテストツールである「Googleオプティマイズ」が2023年9月30日でサービス終了!無償版だけでなく有償版もサポート終了

Googleオプティマイズのサポート終了(Optimizeヘルプページ)

特にGoogleの公式アカウントや、Googleオプティマイズのページではまだサービスされていませんでした。

Googleオプティマイズのページでは2023年9月30日でのサービス終了やサポート終了については未発表

2023年9月30日まではGoogleオプティマイズによるABテストならびにテスト結果の閲覧はできますが、翌日2023年10月1日を迎えるとABテストは強制終了され、テスト結果も閲覧不可能になります。

今回のサポート終了の対象は、無料で使える無償版のGoogleオプティマイズだけでなく、有償版も含まれるため、オプティマイズのサービスが完全終了です。

オプティマイズがGA4連携可能になったばかり

Googleオプティマイズは、2021年に正式リリースされたGoogle Analytics(GA)の新しいバージョンであるGA4との連携が進められていました。

元々Googleオプティマイズは従来版GAであるユニバーサルアナリティクスと連携する形で作られており、GA4とはずっと連携することができませんでした。

しかし、2022年の春にようやくGoogleオプティマイズとGA4の連携ができるようになり、GA4移行を進めるユーザーが併せてオプティマイズ連携も行っていたところでした。

GoogleのABテストツール「グーグルオプティマイズ」はGA4との連携がサポートされていなかったが、2022年にようやく連携可能になったにもかかわらずサービス終了に

しかし、今回のGoogleオプティマイズのサービス終了の発表によって、GA4でオプティマイズを使ったABテストや多変量テストが実施できるのは残り8ヶ月ほどになりました。

GA4へ投資との情報も現在ABテスト機能は存在せず

Googleオプティマイズのヘルプページに掲載されたサービス終了のお知らせによると、GoogleオプティマイズはABテストツールとして不十分だったと説明があります。

Googleオプティマイズを終了する理由として、オプティマイズはABテストツールとして機能が不十分だったとして、GA4のABテスト機能に投資すると説明

オプティマイズは長年利用されてきたツールですが、お客様がテストのために必要としている機能とサービスを十分に備えていません。

そのため、GA4のABテストに投資していくとの記述が、オプティマイズのサポート終了理由の回答に書かれています。

けれども、現時点でGA4単体でABテストができる機能はありません。

前述したGA4とのオプティマイズ連携ができるように改修していたこともあり、Google自体もGA4のABテストはオプティマイズが担うという想定だったはずです。

そのため、Googleオプティマイズが使えなくなる2023年10月1日からGA4でABテストが利用できるかどうかはわかっていません。

Googleオプティマイズのヘルプページ記述もあくまで「GA4のABテストにも投資している」との内容です。

GA4にABテスト機能が用意されるとも、いつ実装されるとも明言されていないので注意が必要です。

GoogleはGA4のABテストに投資しているとは言ったが、GA4にABテスト機能が実装するとは言っていない
賭博黙示録カイジより

パーソナライズ機能利用者に大きな痛手

Googleオプティマイズには、訪問したユーザーの属性データによって、出す情報を出し分けるパーソナライズ機能がありました。

こちらを使うと、SNSから来たユーザーにはAパターンを表示し、検索流入のユーザーにはBパターンを表示するといったABテストの出し分けが可能でした。

訪問ユーザーの属性、さらに流入経路によって、ユーザーがどのような意図でサイトを訪問しているかが異なります。

それゆえに、Googleオプティマイズのパーソナライズ機能は、ウェブサイトにコンテンツの出し分け機能を実装することなく、オプティマイズのタグを埋め込むだけで複数パターン出し分けることができて、改修コストもかからず便利でした。

しかし、今回2023年9月30日でGoogleオプティマイズのサービス終了に伴い、パーソナライズ機能も以降は使えなくなるので、代替手段の検討が必要になります。

過去オプティマイズテストデータも閲覧不可に

なお、Googleオプティマイズが2023年9月30日にサービス終了することに伴い、翌日の10月1日からオプティマイズのテスト実行だけでなく、過去にテストした結果データも閲覧できないようになります。

Googleオプティマイズは2023年9月30日にサービス終了し、10月1日以降はテスト結果レポートも閲覧不可能になるので、テスト結果のエクスポートが必要

サポート終了後は、ウェブサイト エクスペリエンスの推定結果および Google アナリティクス 4 の過去の元データにはアクセスできなくなります。

そのため、テスト結果を2023年10月1日以降も閲覧したい場合は、下記のリンクの手順にしたがって、オプティマイズのABテストのレポートデータをエクスポートしておきましょう。

オプティマイズのデータをエクスポートする(Optimizeヘルプ)

Googleがレイオフと併せて事業見直しも

Googleは2023年1月に大規模なレイオフ(リストラ)を実施すると発表しました。

Googleオプティマイズのサービス終了が発表された2023年1月21日の同じタイミングで、SNSにGoogleをレイオフされたとの投稿がありました。

それゆえ、Googleは組織としてのリストラ(再構築を意味するリストラクチャリング)としてGoogleオプティマイズのサポート終了を決断したと考えられます。

GA4と連携可能なGoogleオプティマイズは、ベータ版としての提供されているため、無料で使うことができます。

それゆえにGoogle社としては、ユーザーがオプティマイズを利用して得られる収益は、有償版GA4を利用しているユーザーがオプティマイズを使ってテストした際に生じるイベント数の課金のみです。

それらでは得られる収益性が低いと判断され、事業見直しとしてGoogleオプティマイズをサービス終了したと推測しています。

今後、Googleオプティマイズ以外の無料で利用できるサービスも同じようなサービス終了が発表されるかもしれません。

まとめ・終わりに

今回、グーグル社が提供するABテストツール「Googleオプティマイズ」が2023年9月30日にサービス終了すると発表したことを紹介しました。

2023年1月21日に発表されたGoogleオプティマイズのサポート終了にメディア担当者やアクセス解析の担当者から驚きの声があがっています。

Googleは同タイミングで大規模な人員削減するためのレイオフも実施しており、事業見直しの観点で提供サービスの見直しが行われた結果、Googleオプティマイズのサポート終了に至ったと推測しています。

GoogleオプティマイズのヘルプページではGA4のABテストへの投資を進めているとの記載がありますが、現時点でいつGA4にABテスト機能が実装されるかは不透明です。

ユニバーサルアナリティクスからGA4に移行を進めているユーザーで、Googleオプティマイズを利用している方は、今後ABテストをどのように実施するか検討しなければなりません。

2023年10月1日になると、過去実施したGoogleオプティマイズのテストレポートも閲覧できなくなるので、必要な場合はエクスポートしておきましょう。