GA4のform_startとform_submitのフォームイベントの違いや分析方法を解説

Google Analytics4(GA4)では拡張計測機能で問い合わせフォームなどのイベントを計測することができます。

計測の際にフォームイベントとしてform_startとform_submitの2つがGA4側に記録されます。

このform_startとform_submitの2つの違いと分析でどのように解釈するか解説します。

GA4はフォーム計測が簡単に

GA4では従来のGoogle Analyticsであるユニバーサルアナリティクス(UA)になかった拡張計測機能が用意されています。

拡張計測機能ではUAだけの設定では計測が難しかった、以下のイベントが計測設定できるようになっています。

  1. スクロール数
  2. 離脱クリック
  3. サイト内検索
  4. フォームの操作
  5. 動画のエンゲージメント
  6. ファイルダウンロード

UAの場合は上記のような計測項目はアクセス解析対象のページに設定を行うかGoogle Tag Manager(GTM)の設定が不可欠でした。

GA4で簡単に計測できるようになった1つがフォーム入力です。

GA4(Google Analytics4)の拡張計測機能で計測可能な項目

ユーザーがブログやウェブサイトを訪問し、問い合わせページや連絡ページにあるフォームに入力して送信するとGA4上でイベントとして記録されます。

BtoBのウェブサイトなどでは問い合わせ数をKPIにすることも多いため、GA4でKPIの数字を簡単に見ることができます。

※GA4のフォームイベントの計測方法は以下の記事で解説しています。

GA4で問い合わせフォーム送信や入力操作を計測する方法とレポートで確認手順を解説

GA4の管理メニューにあるデータストリームから拡張計測機能を選択して、フォーム送信をONにするだけで簡単に設定可能です。

GA4のフォームイベントは2種類

GA4でフォーム送信の拡張計測機能を有効にすると、以下の2つのイベントが記録されるようになります。

  1. form_start
  2. form_submit

フォーム送信の拡張計測ということなので、イベントは1つだと思われるかもしれませんが、実は2つあります。

GA4で「フォームの操作」の拡張計測機能を有効にすると利用できるform_startとform_submitのイベント定義の違いや分析方法は?

form_startとform_submitはそれぞれ計測されるタイミングが異なるイベントです。

GA4を使ってフォーム最適化(EFO: Entry Form Optimization)の分析を行うには違いを押さえておくことが大切です。

form_startとform_submitの違いは?

form_startとform_submitはfそれぞれどういったタイミングでGA4にイベントが発火(計測)されるのか、定義を知っておくことが大切です。

それぞれのイベントがGA4に記録されるタイミングの定義を説明します。

①form_startの定義(計測条件)

GoogleのGA4ヘルプページによると、form_startイベントが計測される条件は以下のように記載されています。

GoogleのGA4ヘルプページに書かれたform_startとform_submitの定義

form_start:ユーザーがセッションで初めてフォームを操作した時

すなわち、ブログやウェブサイトに設置された問い合わせフォームなどにある入力項目を選択すると、form_startがGA4で計測されます。

form_startがGA4で計測されるのは問い合わせフォームの入力項目が操作(選択や入力)された時

そのため、問い合わせフォームをユーザーが訪問しただけでは記録されません。

実際に入力フォームが選択して入力した場合に発火します。

また、「セッションで初めて」という条件が設定されているため、各種入力項目を入力しても、form_startが計測されるのはセッション内で1回のみです。

セッションが切れないうちは別ページに戻って再度入力しても、記録されない仕様です。

②form_submitの定義(計測条件)

一方、もう1つのform_submitについては計測条件の定義は以下の通りです。

form_submit: ユーザーがフォームを送信したとき

問い合わせフォームでは入力項目を入れた後、送信ボタンなどが用意されているので、送信ボタンを押したタイミングで記録されます。

GA4のform_submitイベントが発火するのはフォームが送信された時

form_submitが記録されると、お問い合わせが送信されたことになります。

フォーム送信完了はform_submitをチェック

GA4のform_startとform_submitの2つのイベントの発火条件と定義の違いから、フォームが実際に送信完了されたかはform_submitの数値で確認可能です。

カスタム定義などでカスタムディメンションとしてform_submitを「フォーム送信完了」として設定しておけば、色々な分析に活用できます。

またform_submitをコンバージョン設定しておけば、目標数としてフォーム送信完了の数値をウォッチしやすくなります。

そうしたGA4の設定を行ったうえで探索レポートを使って、form_submitが発生したセッションのランディングページからフォーム送信に至るコンテンツ要素を確認できます。

さらに、探索レポートのフォーマットの1つであるユーザーエクスプローラーを使えば、フォーム送信に至ったユーザーのサイト内でのページ遷移や行動が確認可能です。

以上のようにGA4のform_submitの計測内容を確認することで、フォーム分析ができます。

【form_start – form_submit】で離脱数を確認

GA4のform_submitの重要性はお伝えしましたが、form_startは分析には必要ないのでしょうか。

実はそんなことはなく、form_startもフォーム分析には必要なイベントです。

form_startは前述で定義を説明した通り、ユーザーが問い合わせページなどに設置されたフォームの入力項目が選択(入力しようとした)時に計測されます。

そのため、問い合わせページに単にたどり着いたのはなく、きちんとフォーム入力を始めたユーザーであることが分かります。

その後、フォームの入力項目を埋めた後に「送信」ボタンなどを押すと、form_submitが計測されます。

そうした点からGA4上で計測される数値としては必ず、「form_start >= form_submit」です。

このform_startとform_submitの数値の違いが多いほど、「フォーム入力しようとしたが、送信まで至らずに離脱したユーザーが多い」ことを表します。

そのため、form_startもform_submitと一緒に数値を確認して違うを見つけることでフォーム分析に有益です。

まとめ・終わりに

今回、GA4のフォーム送信イベントであるform_startとform_submtの定義の違いや分析方法を紹介しました。

GA4の拡張計測機能を使い、フォーム送信を有効にすると、2つのイベントが新たにGA4上で記録されます。

form_startはフォーム操作を開始したタイミング、form_submitはフォームが送信されたタイミングです。

基本的にフォーム分析ではまずform_submitで送信数の傾向を見るのが重要です。

さらにform_startとform_submitの数値の差異を見ると、フォーム入力中の離脱数が確認することができます。

GA4のフォーム操作イベントであるform_startとform_submitの違いを分析してフォーム最適化(EFO)しましょう。