Veo3.1のAPI利用料金とレート制限を解説!思わぬ高額請求やレート制限も

Googleが開発する動画生成AIのVeo3.1をAPIで利用した場合の費用について解説します。

PythonやGoogle Apps Script(GAS)で手軽に利用できますが、誤ったAPIリクエストで高額請求が発生する恐れがあります。

さらにVeo3.1は生成AIのGeminiと比べてもレート上限が厳しいため、APIのレート上限も紹介します。

Gogleの動画生成AI「Veo3.1」

VeoはGoogleが提供する生成AI・Geminiシリーズの中の動画生成AIです。

2025年9月にOpenAIが動画生成AI「Sora2」を発表して大きな話題になりましたが、それのGoogle版になります。

Googleが開発する動画生成AI「Veo」は2025年10月にVeo3.1を発表

GoogleもOpenAIのSora2に負けじと2025年10月に最新版の動画生成AIとしてVeo3.1を発表しました。

Veo3.1は音声付き動画を生成できるようになったVeo3をさらにアップデートしたモデルです。

オーディオの品質がより高められており、プロンプトから生成される動画のクオリティーも向上しています。

Veo3.1はGeminiやFlow以外にAPIも

通常、動画生成AIのVeo3.1を利用したい場合、Googleが提供するGeminiまたはFlowのアプリを利用します。

Geminiのアプリでは有料プランに加入しているユーザーしかVeo3.1は使えません。

一方、Flowのウェブアプリは無料枠が設けられているものの、無料で動画生成できるのは、Veo3.1のStandard版は月1回、Fast版は月5回と回数が少ないです。

アプリ上での利用以外に、Veo3.1にはAPIも提供されています。

Googleの動画生成AI「Veo3.1」はGeminiやFlowのアプリから以外にAPI経由で利用可能

APIを利用すれば、PythonやGoogle Apps Script(GAS)などのスクリプトから実行したり、Difyやn8nなどから利用可能です。

APIを利用することでVeo3.1による動画生成を自動するワークフローが構築できます。

Veo3.1のAPI利用料金を解説

Veo3.1のAPI利用料金は、Geminiの有料版のようなサブスクモデルではありません。

APIリクエストして生成した動画に応じた従量課金となっています。

動画を1秒生成するごとに費用が発生する料金体系です。

Googleの動画生成AI「Veo3.1」のAPI利用料金は生成する動画1秒あたりの従量課金の料金体系

Veo3.1にはStandard版とFast版の2種類が用意されており、それぞれで費用が異なります。

Veo3.1 Standard版の1秒あたりの費用

Veo3.1のStandard版は、Googleが提供する動画生成AIの中で最も高品質な動画を生成できるモデルです。

Veo3.1 Standard版の場合は1秒あたり0.4ドルかかります。

1ドル=150円で日本円に換算すると1秒あたり約60円です。

テキスト生成や画像生成AIに比べると、Veo3.1のAPI利用料は高額と言えます。

Veo3.1 Fast版の1秒あたりの費用

2つ目のVeo3.1 Fast版は軽量版の動画生成AIのモデルです。

Veo3.1 Standard版に比べると動画の品質は劣るものの、APIの応答速度も高速です。

またAPI利用料金もStandard版と比較して安価で、1秒あたり0.15ドルとなっています。

日本円換算だと動画1秒あたり、API利用料は23円ほどです。

最大1回のAPI実行で約500円かかる計算

Veo3.1のStandard版とFast版のAPI利用料金を紹介しましたが、Standard版の方が利用額が高くなります。

Veo3.1のAPIは1回あたり最大8秒の動画が生成可能です。

すると、Veo3.1に8秒の動画生成をAPIでリクエストで1回で最大3.2ドル、日本円で480円ほど発生します。

APIの従量料金として1回500円近くかかるものは少なく、かなり高額な部類です。

Veo3.1はTier1で1日10回の実行上限

なお、Veo3.1にはティアに応じた実行上限のレートも設けられています。

大多数のユーザーはTier1ですが、Tier1の場合1日の実行上限は10回までです。

一般的なGoogle CloudのTier1ユーザーの場合、Veo3.1による動画生成は1日に10回までとレート上限が設定

10回以上リクエストすると、APIからエラーメッセージが返ってきます。

※Veo3.1のStandard版とFast版2つ合計で20回です。

色々コードをテスト実行していると、10回はあっという間なので、コード作成中や他のロジック部分の修正などは、Veo3.1へのAPIリクエスト処理はコメントアウトしておくのがおすすめです。

Veo3.1のAPIのリクエストは慎重に

前述した通り、Veo3.1のAPIは利用料が高い上に、1日あたりの実行上限数も少ないです。

気軽にVeo3.1のAPIを実行していると、レートに到達して実行できなくなる上、API利用料も5,000円近くかかります。

Veo3.1のAPIを使った動画生成AIのプログラムを作成する際は、構築中はコメントアウトし、動画自体のチューニングはGemini Proプランを利用してアプリから実行するなどするのがおすすめです。

まとめ・終わりに

今回、Googleが提供する動画生成AI「Veo3.1」のAPI利用料金とレート上限について紹介しました。

Veo3.1はGeminiやFlowのアプリ上で利用する以外にAPI経由で動画生成ができます。

ただ、これまでのテキストを出力する生成AIや画像生成AIに比べて、動画生成AIのVeo3.1はAPI利用料が非常に高額です。

Veo3.1の標準版では生成する動画1秒あたり0.4ドル(約60円)で、1回のAPIリクエストで生成可能な上限8秒を生成すると約480円にもなります。

Fast版を使えばもう少し抑えられるものの、それでもAPI利用料は高いです。

そのため、Veo3.1のAPIリクエストで思わぬ高額請求を受けないよう、コーディング途中はコメントアウトなどでAPIリクエストは控えるようにしましょう。