【コピペで使える】GPT-4o miniをスプレッドシートの関数として利用する方法

2024年7月21日

OpenAIがChatGPTに変わる低コストな生成AIとして「GPT-4o mini」を発表しました。

GPT-4o miniはChatGPTの半額以下で利用できるにもかかわらず応答速度は高速で性能もChatGPTを上回っています。

そこでGPT-4o miniをスプレッドシートでカスタム関数として利用する方法を解説します。

※OpenAIのAPIキーさえあれば、コピペで3分で設定可能です。

小型AIモデル・GPT-4o mini登場

2024年7月18日(アメリカ時間)にOpenAIの新しい生成AIモデル「GPT-4o mini」が登場しました。

GPT-4oよりもコストパフォーマンスに優れた低コスト・低レイテンシーの廉価版AIモデルです。

※GPT-4o miniについては以下の記事で解説しています。

ChatGPTよりも低コスト・高性能・高速

GPT-4o miniはChatGPTを代替するAIモデルとして開発されています。

生成AIとしてブレイクスルーを巻き起こしたChatGPTよりも低コストでありながら、応答精度も高性能かつ、応答速度も高速です。

すでにChatGPTウェブ版(アプリ版)では、ChatGPTのモデルがGPT-4o miniに置換されています。

OpenAIは今後ChatGPT(GPT-3.5 Turbo)を旧モデルとして、GPT-4o miniを主力の生成AIに位置付けています。

スプレッドシートでGPT-4o miniが使いたい

GPT-4o miniがスプレッドシートで利用できるととても便利です。

GPT-4o miniは上位モデルであるGPT-4oに比べて、利用コストは97%OFFとなっています。

生成AIの利用コストを気にしなくてよいレベルなので、GPT-4o miniはスプレッドシートでも気軽に利用しやすいです。

GPT-4o miniをカスタム関数として利用

GPT-4o miniはOpenAIが開発した生成AIなので、Googleが提供するスプレッドシートの標準関数では利用できません。

しかし、実はGPT-4o miniをスプレッドシートから関数として利用することができます。

GPT-4o miniは7月18日の発表と同時にAPIも利用できるようになっています。

そのAPIを使い、Google Apps Script(GAS)でスプレッドシートのカスタム関数を作成すれば、引数に指定したプロンプトに対するGPT-4o miniから応答を得ることが可能です。

GPT-4o miniから応答が得られるスプレッドシートのカスタム関数の実行例

OpenAIのAPIキーを用意して、APIクレジットをチャージしておけば、GPT-4o miniがスプレッドシートで利用できます。

コピペでGPT-4o mini関数を簡単導入

ただ、スプレッドシート利用ユーザーが、Google Apps Script(GAS)を使ってGPT-4o miniを呼び出すカスタム関数を作るのは大変です。

そこで、スプレッドシートでGPT-4o miniの応答を得るカスタム関数のGASコードをAutoworkerで自作してみました。

必要なのはOpenAIのAPIキーだけで、いくつかの設定とコピペするだけでGPT-4o miniをスプレッドシートで利用可能になります。

※OpenAIのAPIキーは以下の動画で利用登録とAPIキー発行手順を解説しています。

まだAPIキーを発行していない方は動画の手順に従ってAPIキーを準備してください。

【コピペでOK】GPT-4o miniのスプレ関数の設定方法

スプレッドシートでGPT-4o miniのカスタム関数を設定する方法を解説します。

GPT-4o miniを呼び出すためのAPIキーとGoogle Apps Script(GAS)で作成したGPT-4oを呼び出すカスタム関数をスプレッドシートに設置します。

なお、GPT-4o miniを使いたいスプレッドシートのファイル単位でこの設定が必要です。

※あるスプレッドシートで設定しても、新しいスプレッドシートで使いたい場合は再度セットアップします。

1.GPT-4o関数を使いたいスプレッドシートを開き、「拡張機能>Apps Script」を選択します。

GoogleスプレッドシートでGPT-4oを呼び出すための自作関数をGoogle Apps Script(GAS)のコードを設定するため、拡張機能のApps Scriptを選択

2.GASのスクリプトエディタが表示されるので、左にある「プロジェクトの設定」を選択します。

OepnAIのAPIキーをGASのスクリプトプロパティに設定するためプロジェクト設定画面に移動

3.スクロールして表示される「スクリプトプロパティを追加」ボタンをクリックします。

スクリプトプロパティのOpenAiのAPIキーを登録

4.プロパティ:APIKEY、値:【OpenAIのAPIページで取得したAPIキー】を貼り付けて、「スクリプトプロパティを保存」ボタンをクリックします。

GASのスクリプトプロパティにOpenAIのAPIキーを保存

5.左メニューにある「エディタ」を選択します。

Google Apps Script(GAS)のスクリプトエディタのコード画面に遷移

6.GASのスクリプトエディタの画面に下記コードをコピペして保存アイコンをクリックし、保存します。

/**
 * GPT-4oにリクエスト
 * @param {'プロンプト'} prompt GPT-4o miniへのプロンプト
 * @param {'モデル'} model gpt-4o指定可(未指定時はgpt-4o-mini)
  * @param {'創造性'} temperature 0-1応答の創造性 (未指定時は0.9)
 * @customfunction
 */
function GPT4O(prompt, model='gpt-4o-mini', temperature=0.9) {
  //スクリプトプロパティに設定したOpenAIのAPIキーを取得
  const apiKey = PropertiesService.getScriptProperties().getProperty('APIKEY');
  //GPTのAPIのエンドポイントを設定
  const apiUrl = 'https://api.openai.com/v1/chat/completions';
  //GPTに投げるメッセージを定義(ユーザーロールの投稿文のみ)
  const messages = [{'role': 'user', 'content': prompt}];
  //OpenAIのAPIリクエストに必要なヘッダー情報を設定
  const headers = {
    'Authorization':'Bearer '+ apiKey,
    'Content-type': 'application/json',
    'X-Slack-No-Retry': 1
  };
  //GPTのモデルやトークン上限、プロンプトをオプションに設定
  const options = {
    'muteHttpExceptions' : true,
    'headers': headers, 
    'method': 'POST',
    'payload': JSON.stringify({
      'model': model,
      'max_tokens' : 2048,
      'temperature' : temperature,
      'messages': messages})
  };
  //OpenAIのGPTにAPIリクエストを送り、結果を変数に格納
  const response = JSON.parse(UrlFetchApp.fetch(apiUrl, options).getContentText());
  return response.choices[0].message.content; 
}
GPT-4o miniをスプレッドシートのカスタム関数として利用するため、Apps Scriptでカスタム関数のコードを貼り付けて保存

以上でスプレッドシートで使えるGPT-4o関数のセットアップは完了です。

スプレッドシートのセルに「=GPT4O(“プロンプト")」と入力すると、GPT-4o miniからの応答を得ることができます。

プロンプトを引数に指定してGPT-4o miniからの応答が得られるスプレッドシートのカスタム関数の実行結果

ChatGPTに比べても応答速度がかなり速くなっており、ストレスなく利用できます。

関数の引数でGPT-4oも利用可能

なお、今回用意したGPT4O関数には入力プロンプト以外も引数に指定できます。

プロンプトを入力する第1引数以外に、第2引数にモデル名を設定可能です。

第2引数に「gpt-4o」と指定すると上位AIモデルであるGPT-4oが選択されます。

さらに第3引数で応答内容の創造性を調整するtemperatureを0から1の間で指定できます。

0に近づくほど同じ応答結果が返ってくる可能性が高くなります。

スプレッドシートからGPT-4o miniを利用する、自作したカスタム関数では他のGPT-4oのモデルを指定したり、temperatureの数値を引数に指定して調整可能

このようにプロンプト以外にも引数を指定して、利用するOpenAIのモデルを切り替えたり、応答内容の創造性を変えられるようになっています。

まとめ・終わりに

今回、スプレッドシートでGPT-4o miniの応答を得るカスタム関数の導入方法と使い方を紹介しました。

OpenAIのAPIキーを用意してGoogle Apps Script(GAS)でGPT-4oを呼び出す自作関数を用意すれば、スプレッドシートでもGPT-4oが利用可能です。

Autoworkerが自作関数のコードを用意しているので、APIキーを用意してコピペすれば5分で設定できます。

GPT-4o miniはAPI料金が格安なので、スプレッドシートでも気軽に生成AIが利用可能です。

スプレッドシートでGPT-4o miniを使えるようにして業務効率化を図りましょう。