Google Analyticsで9月16日から性別・年齢のユーザー属性が取得できない事象が発生

Web解析サービスのGoogle Analyticsで、2021年9月16日ごろから、性別や年齢のユーザー属性の数値が取得できていない事象が発生しました。

性別や年齢のディメンションのレポートや男性・女性でセグメントしたデータの指標が極端に小さくなっています。

※10月入ってから再び男性・女性、年齢別データが取得されていますが、それまでのデータは復旧しておらず、欠落してしまっている状態です。

Google Analyticsは性別や年齢のユーザー属性も

Google Analytics(GA)はグーグル社が提供する、無料で利用できるウェブ解析サービスです。

Google Analyticsでは、Webサイトをアクセス分析する上で必要なページビュー(PV)、セッション(SS)、ユニークユーザー(UU)といった指標をチェックできます。

さらに、Webサイトに訪問した全ユーザーだけでなく、男性・女性の性別や年代別の年齢のユーザー属性ごとに指標を見ることが可能です。

Webサイトによってどういった性別のユーザーが多いか、また年齢によって行動傾向に差異があります。

そのため、性別・年齢別のユーザー属性に応じたアクセス解析できるGoogle Analyticsはとても便利です。

9月16日からGoogle Analyticsの性別データが急減

Google Analytics(GA)で男性/女性の性別でセグメントした場合に、PVやUUの数値が急減している事象が2021年9月16日から発生しています。

Google Analytics(グーグルアナリティクス)のセグメント設定で性別で女性(female)を選択したセグメントユーザーを作成

上記は、Google Analyticsのセグメント設定で、ユーザー属性の性別をFemale(女性)を選択することで、女性のみのセグメントを作成しています。

男性のみのセグメントを作成したい場合は、同様の手順で性別をMale(男性)を選択します。

Google Analytics(グーグルアナリティクス)のセグメントでユーザー属性の性別をMale(男性)を選択し、男性ユーザーセグメント作成

こうしたユーザー属性の性別によるセグメントデータを作成し、ユニークユーザー数のレポートを作成すると、2021年9月16日以降、数値が極めて少ない状態です。

Google Analytics(グーグルアナリティクス)で2021年9月16日ごろより男性・女性の性別や年齢別の指標が取得できない(極端に小さくなる)事象が発生

すべてのユーザーの数に比べ、女性ユーザーと男性ユーザーの数が割合的にも9月16日以降急減しています。

※なお、2021年10月以降復旧し、元々と同じ数値が取得できるようになっています。

性別以外に年齢別データも同様に少ない状態

2021年9月16日以降に少なくなっているのは、性別だけではありません。

同じユーザー属性の1つである年齢別の数値も、性別と同じように影響を受けています。

Google Analytics(グーグルアナリティクス)で性別の年代別をすべてにチェックを入れたセグメントデータ

影響を確認するため、再びGoogle Analyticsで年齢を絞ったセグメントを作成します。

年齢のユーザー属性の影響を一通り確認するため、18-24、25-34といった年代別ではなく、6つのグループすべてを選択したセグメントのGAの指標を確認します。

2021年9月16日以降、性別データだけでなく、年齢データでもGoogle Analytics(グーグルアナリティクス)でユーザー数やページビュー数が急減

前述した性別のユニークユーザー数と同じ傾向を示し、2021年9月16日以降ほぼ数十近くまで減り、10月2日になってから回復しています。

こうした点から、性別や年齢といった個別項目が取得できないのではなく、ユーザー属性に関わるGAのディメンション数値が取得できていないようです。

そのため、GAのユーザー属性にあるアフィニティカテゴリや購買意向の強いセグメントも同じように影響を受けています。

OSやデバイスのセグメントは問題なし

なお、ユーザー属性以外の影響範囲がないか確認のため、OSのディメンションでセグメントした場合でも数値を確認しました。

OSやデバイスカテゴリの情報はGoogle Analytics(グーグルアナリティクス)で問題なく取得できている

WindowsOSでセグメントしたユニークユーザー数は、すべてのユーザーと極めて高い相関関係で推移しており、影響は受けていないと推測されます。

その他にもスマホやタブレットなどのデバイスカテゴリ、ブラウザのディメンションでも調べてみましたが、問題ありませんでした。

OS(WindowsやMac)情報やデバイスカテゴリ情報は、ユーザー属性とは異なり、ブラウザが提供するユーザーエージェント情報によって識別されています。

そのため、ユーザーエージェントから取得できる情報には影響はなく、ユーザー属性の項目のみ影響範囲である可能性が高いです。

TwitterでもGoogle Analyticsの同様事象が報告

Google Analyticsでユーザー属性(性別・年齢)が取得できない件は、Twitterでも同様の報告が投稿されていました。

こちらのアカウントでは専門チームによる調査でGoogle Analytics側のバグであるとあります。

返信元と返信先でも発生しており、複数のGoogle Analyticsプロパティで発生していることから、個別の障害ではなく、GA全体の障害となっています。

2021年10月から復旧も以前のデータはそのまま

さきほど、紹介したツイートにも記載されている通り、2021年10月に入ってからは再び男性・女性の性別や、年齢別のデータが取得されています。

前述のGoogle Analyticsのレポート画面のグラフでも、10月以降の性別や年齢別のユーザー数の指標は従来の水準まで回復していることが分かります。

ただ、2021年10月10日時点では、取得できていなかった性別や年齢別のデータが復旧されていません。

性別や年齢別のデータはGoogle Analyticsのデフォルトの設定では取得できず、Google広告と情報の紐付けを行うことで取得しています。

※グーグルアナリティクスの管理メニューで「プロパティ>トラッキング情報>データ収集」から機能を有効化する必要があります。

今回の障害の原因は、2021年9月16日ごろからGoogle AnalyticsとGoogle広告との情報連携部分でエラーが発生したと推測されます。

障害が復旧しても、GAのユーザー属性の指標とGoogle広告の情報を紐付けることが難しいため、恐らく当該期間の性別や年齢の数値は元も戻らない可能性が高いです。

まとめ・終わりに

今回、アクセス解析ツールGoogle Analyticsで、2021年9月16日から10月1日にかけて性別や年齢のユーザー属性のユーザー数の指標が急減した事象を紹介しました。

性別や年齢セグメントのデータは通常、すべてのユーザーのユニークユーザー数やページビュー数に相関していますが、9月16日からほとんど取得できずに、少ない数値になっています。

他のGoogle Analytics(GA)利用ユーザーからも複数アピールが上がっているため、個別環境ではなくGA自体のバグと推測されます。

残念ながら、現時点では性別・年齢別の数値が取得できなかった9月16日~10月1日のデータは復旧されていません。

恐らくGoogleの広告サービスと連携して取得しているデータなので、復旧が難しく、この期間の数値は欠損したままの可能性が高いです。

Google Analyticsで性別や年齢別のデータをKPIでレポートしている場合は、上記期間については正常な数値でないことをアピールする必要があります。