Search LabsはブログSEOに影響大!3つの特徴と検索体験の変化を解説

Google検索に生成AIである「Search Labs」の生成結果が出力されるようになりました。

検索結果にSearch Labsの生成文章が大きく表示されるようになった変化で、ブログやメディアのSEOに大きな影響を及ぼすと推測されます。

そこで、サイト運営者が知っておきたいSearch Labsの影響について考察します。

Google検索にSearch Labsが登場

Googleの生成AI「Search Labs」の試用版が2023年8月30日に公開されました。

Googleが検索サービスで利用可能なSearch Generative Experience(SGE)として生成AI「Search Labs」を日本向けに2023年8月30日に公開

前回のAutoWorkerの記事でもSearch Labsの利用方法を解説しています。

Google検索の生成AI「Search Labs」が8/30に登場!利用開始と生成文章を検証

ChromeブラウザやスマホのGoogleアプリでSearch Labsを有効にすると、Google検索すると検索ワードに沿った文章を生成してくれます。

Search Labsには3つの特徴

Google検索の生成AI、Search Labsを試してみて感じた特徴として以下3つが挙げられます。

  1. 生成AIが検索結果よりも上部に表示
  2. 強調スニペットよりも生成結果が大きく表示
  3. 強調スニペットの抽出から検索ワードに適した生成へ

①生成AIが検索結果よりも上部に表示

Search Labsの生成AIの最大の特徴は「検索結果よりも上部に表示される」です。

Search Labsを有効にしてGoogle検索すると、検索結果が表示されるとともに、生成AIによる文章生成がスタートします。

一定時間経つと、Search Labsが生成した文章がGoogle検索の結果一覧の上に出てきます。

Search Labsを有効化したあと、Google検索を使って生成AIによる生成結果を確認

このようにSearch Labsの生成文章は検索結果よりもファーストビューの目立つ位置に表示する仕様です。

②強調スニペットよりも生成結果が大きく表示

Search Labsが生成した文章は非常に大きく表示されます。

Google検索には検索結果の情報を一部抜粋する「強調スニペット」というモジュールがあります。

Google検索では、検索結果のページ情報を抜粋して大きく表示する「強調スニペット」のモジュールが存在

強調スニペットも通常の検索結果の2倍ぐらいの大きさがあります。

しかし、Search Labsの生成結果は強調スニペットよりもずっと大きいです。

生成AIによる生成結果にもよりますが、検索結果一覧が一切見えないほど、画面を占めるケースもあります。

③強調スニペットの抽出から検索ワードに適した生成へ

強調スニペットは、検索結果に表示されるページから検索ワードに合致している部分を抽出して表示してくれます。

ただ、強調スニペットはあくまで抽出のため、載っていない情報が出ることはありません。

しかし、生成AIでは検索ワードに即した情報を複数のソースから生成することができます。

そうした点からSearch Labsは検索に適した情報の抽出から、膨大なデータから情報そのものを生成にアップデートしています。

Googleは検索エンジンの日本のシェア7割超

Google検索は世界一の検索エンジンですが、日本でも圧倒的な利用率No1です。

トラフィック分析サービスであるSimilarWebによると、日本でのGoogle検索のシェアは2023年6月で約71.2%でした。

検索エンジンの日本のシェアでGoogle検索は70%超で最大シェア

パソコンだけでなく、スマホでも検索エンジンとして圧倒的なシェアを誇っています。

Search Labsで検索流入は確実に減少

Google検索は世界一の検索エンジンだからこそ、Search Labsの影響は大きいです。

これまでのGoogle検索では強調スニペットを除いて、検索結果を見ないと調べたいことは分かりませんでした。

けれども、Search Labsによって検索ワードに沿った文章が生成されます。

まだまだ解答としては精度は高くありませんが、それでも簡単な調べ物だと、Search Labsの生成結果で満足するユーザーも出てきます。

それゆえにSearch Labsによって、検索結果のブログやサイトの検索流入は確実に減少すると言えます。

特にブログやメディアへの影響が大きい

Search Labsの影響はあらゆるウェブに起こり得ますが、その中でもブログやメディアなどへの影響が大きいと考えています。

検索エンジンの生成AIであるSearch Labsはブログやメディアへの影響が大きい

ブログやウェブメディアは分類的には情報サイトで、ユーザーに情報を提供するのが目的です。

しかし、Search Labsの生成AIはそうしたブログやウェブメディアの役割と競合します。

Search Labsの生成結果で十分であれば、検索結果のブログやメディアの記事を見なくなります。

そのため、Search Labsはブログやメディアへの破壊的影響を秘めています。

※Webサービスなどは解決策の提供が目的のため、生成AIへの影響はブログやメディアよりも小さいです。

今は生成結果の精度は低いが、どんどん精度は向上

Search Labsの影響の大きさを伝えてきましたが、利用ユーザーからは「生成結果の精度が不十分」という声もあります。

たしかに現時点では求める内容が含まれなかったり、内容に誤りが含まれたりと、高精度ではありません。

検索ワードによっては生成結果が出力されないケースもあります。

しかし、Search Labsの試用運用が進む中で、情報がどんどん蓄積されます。

その結果、どんどんSearch Labsの生成結果の精度は向上します。

生成結果を出力できないケースも少なくなっていくでしょう。

今はSearch Labsの精度が低いからといって、軽視しているとブログ運営者やサイト運営者は痛い目に合うかもしれません。

カメラ業界と同じ変遷を辿る?

生成AIを巡る変遷は、カメラ業界と近い推移を辿ると個人的に推測しています。

カメラ業界では元々フィルムカメラしかありませんでした。

フィルムカメラはデジタルカメラの台頭とともに、ごく一部を除いて淘汰

そんなところにフィルムではなくSDカードなどの記憶媒体に保存できるデジタルカメラが登場しました。

デジタルカメラはフィルムよりも低画質で、フィルムカメラの代替にはならないと言われていました。

けれども、年月の経過とともにデジタルカメラのスペックは向上した結果、気づけばごく一部を残してフィルムカメラを淘汰してしまいました。

生成AIもまだまだ精度は低いですが、デジタルカメラのように精度が高まれば、どんどんシェアが高まる可能性が高いです。

Search Labsは2024年2月に終了予定

Search Labsはサービスページに「終了日:2024年2月」と表示されています。

Google検索の生成AI「Search Labs」は2024年2月に試験運用を終了予定だが、その後の検索エンジンへの生成AIは進むと推測

日本では2023年8月30日に公開されたので、約半年間の試験運用です。

それ以降、Search Labsのような生成AIがGoogle検索で利用できるか、いま時点ではわかりません。

しかし、生成AIは検索エンジンと相性が良いことは競合のBing AIも示しています。

おそらくSearch Labsは終了したとしても、試験運用の中で得た知見を取り入れた生成AIがGoogle検索に実装されるでしょう。

Search Labsへの対抗策がブログやメディアに必要

これまで説明した通り、Search Labsは検索におけるユーザーの行動を変える可能性を秘めています。

ブログやメディアでは検索流入は重要な流入経路です。

そのためにサイト運営者はSEO(Search Engine Optimization)に取り組み、少しでも検索結果の上位に表示するよう努力しています。

しかし、そうしたSEOで頑張って上位表示しても、検索結果の表示が生成AIで見えなくなると、流入はがくんと落ちます。

それゆえにSearch Labsの生成AIへの対抗策がサイト運営者に求められます。

今時点で、Search Labsの対応方法は思いつきませんが、生成AIの普及とともに試行錯誤をしなければなりません。

まとめ・終わりに

今回、Search Labsの特徴と検索体験、ブログやメディアのSEOに与える影響について紹介しました。

Search Labsを有効にすると、Google検索で検索結果よりも上部に、さらに強調スニペット表示などよりも大きく表示されます。

それゆえにSearch Labsによって、ブログやメディアへの検索流入は確実に減少することが見込まれます。

さらに今時点では、Search Labsが生成されないことや生成結果の精度が低いですが、どんどん精度は高まっていきます。

その結果、多くの検索ユーザーが生成AIの結果で満足して、検索結果のブログ記事を見なくなる未来が来るかもしれません。

これまでブログ運営者は単なるSEOに取り組むだけでなく、生成AIの台頭にどう対抗するか、検討する必要があります。