GASで利用可能な算術演算子まとめ!四則演算や剰余は計算順序が大切

2023年9月17日

Google Apps Script(GAS)では様々な数値を計算するケースが多いです。

そこでGASの数値計算に必須となる算術演算子にどんなものがあるか、基本的な四則演算の演算子に加え、計算の優先度についても解説します。

GASで数値計算する機会は多い

Google Apps Script(GAS)の処理コードでは、数値計算することが多いです。

取得した数値データに対し、条件に応じた計算式に当てはめて求める数値を算出します。

5教科ごとの平均点数をスプレッドシートのAVERAGE関数とAVERAGEA関数で算出した結果

スプレッドシートやAPI経由で取得した数値をそのまま使用するケースもありますが、条件分岐によっていろいろな計算できるのがGASの強みです。

GASで計算に使う算術演算子

数値計算をGoogle Apps Script(GAS)で行う際に利用するのが、算術演算子です。

算術演算子とは、足し算やひき算、かけ算、割り算といった四則計算を行うためにGASに用意された特別な記号です。

算術演算子を使うことで足す・引く・かける・割るといった計算をコードに組み込むことができます。

算術演算子は四則演算以外に剰余も

Google Apps Script(GAS)で利用できる算術演算子は、四則計算以外のものもあります。

その1つが剰余(じょうよ)と呼ばれる、「〇〇で割った余り」を算出する演算子です。

この剰余という計算はGASのプログラミングではよく使います。

「N%2」では2で割った余りなので、0なら偶数、1なら奇数と奇数・偶数の判定ができます。

また、「N%4」とすると、4で割った余りとして0,1,2,3のいずれかが出力されます。

これによって、0の時だけ処理を実行する条件分岐を使えば、4回おきに実行可能です。

このように剰余は四則計算と同じぐらいGASにおいて活用します。

その他に2²や3³といったべき乗(累乗)の算術演算子も用意されています。

GASの算術演算子6種類

Google Apps Script(GAS)に用意された算術演算子は以下の6種類です。

  1. +:数値の加算(たし算)
  2. -:数値の減算(ひき算)・符号反転
  3. *:乗算(かけ算)
  4. /:除算(わり算)
  5. %:剰余
  6. **:べき乗

それぞれの算術演算子を使い、計算結果をログ出力するサンプルコードを用意しました。

function calculateOperator() {
  const x = 5;
  const y = 3;
  //GASの算術演算子の計算結果をログ出力
  console.log(x + y);
  console.log(x - y);
  console.log(x * y);
  console.log(x / y);
  console.log(x % y);
  console.log(x ** y);
}
Google Apps Script(GAS)に用意された算術演算子6パターンの計算結果をログ出力

なお、+の算術演算子はNumber型の数字で使うとたし算になりますが、String型の文字列だと連結する働きをします。

どちらか一方が文字列だと、もう一方が数字でも連結になるので、注意しましょう。

算術演算子には優先順位(計算順序)が設定

算術演算子には、計算する優先順位が設定されています。

優先順位演算子
1() 丸カッコ
2– 符号反転
3** べき乗
4* 乗算
4/ 除算
4% 剰余
5+ 加算
5– 減算

複数の算術演算子が用いられた式では、上記の優先順位に従って計算が行われます。

例えば、たし算よりもかけ算や割り算が優先され、かけ算よりもべき乗や「-」の符号反転が優先されます。

Google Apps Script(GAS)の算術演算子の計算順序を確認したサンプルコードの実行結果

この計算する優先順位は、数学における計算順序と同じです。

計算順番の調整には括弧()を

前述したとおり、Google Apps Script(GAS)の算術演算子には計算順序があります。

優先順位が低い算術演算子を先に計算したい場合に丸括弧を使用します。

丸括弧はあらゆる算術演算子よりも優先順位が高いです。

そのため、乗算(*)よりも加算(+)を先に計算することができます。

Google Apps Script(GAS)の算術演算子の計算順序を丸括弧を使って調整可能

GASで複数の算術演算子も用いた計算を行う際は、括弧を使って計算順番を調整しましょう。

複雑な数値計算はMathオブジェクト

基本的な数値計算は、Google Apps Script(GAS)に用意された算術演算子で計算することで実現可能です。

しかし、高校数学で習うような三角関数や指数関数は、算術演算子だけで計算できません。

そうした複雑な三角関数や指数関数などのより複雑な計算が必要な場合は、Mathオブジェクトを活用します。

※Mathオブジェクトによる各種関数はAutoWorkerの記事で解説しています。

まとめ・終わりに

今回、Google Apps Script(GAS)で利用可能な算術演算子について紹介しました。

GASに用意された算術演算子は、加算(+)、減算(-)※符号反転、乗算(*)、除算(/)、剰余(%)、べき乗(**)の6種類です。

それぞれの算術演算子には優先順位が設けられており、計算する順序は数学で習った順番で計算されます。

GASではさまざまな数値を取得して計算する処理を行うことが多いので、算術演算子を使うシーンは多いです。

算術演算子の数は6種類なので、ぱっと計算できるよう覚えておきましょう。