GA4と従来版UA(ユニバーサルアナリティクス)でリアルタイム5分間の数値誤差比較ツール
Google Analyticsの新しいバージョンであるGA4と従来版のUA(ユニバーサルアナリティクス)では、リアルタイムレポートの集計期間が異なります(GA4:30分、UA:5分)。
そこで、GA4のリアルタイムレポートの数値を5分間に絞り込み、UAの数値と誤差がどれぐらいあるか比較するツールを開発しました。
UA(ユニバーサルアナリティクス)終了発表でGA4移行
検索やYoutubeでおなじみのGoogleは、世界で最も利用されているアクセス解析ソフト「Google Analytics(グーグルアナリティクス)」も提供しています。
そのグーグルアナリティクスで多くのユーザーが利用しているのがユニバーサルアナリティクス(UA)ですが、2023年7月1日でデータ収集を停止すると発表しました。
データ収集停止後、3ヶ月間はUAの管理画面にアクセスしてデータの閲覧は可能ですが、3ヶ月経過すると、無料版UAはサポート終了で利用できなくなります。
※ユニバーサルアナリティクスのサポート終了については以下の記事で解説しています。
ブログ運営者など、Google Analyticsをアクセス解析で利用してきたユーザーは新しいバージョンのGA4への移行が迫られています。
GA4はリアルタイムレポート集計期間が変化(5分→30分)
新しいGoogle AnalyticsとしてリリースされたGA4は、従来のユニバーサルアナリティクス(UA)と類似した機能を提供しつつも、計測の仕組みが異なっています。
アクセス解析の機能としてもUAとGA4には差異があります。
その1つがリアルタイムレポート画面で表示されるアクティブなユーザーの集計期間です。
従来版UAのリアルタイムレポートの集計期間は直前の5分間のユーザー数です。
リアルタイムの概要を見ると、「過去5分間のサイトのアクティブユーザーは」と記載されています。
一方、GA4のリアルタイムレポートの集計期間は「過去30分間」になっています。
同じリアルタイムレポートでもUAの過去5分間、GA4の過去30分間では表示される数値も異なります。
UAと異なりGA4はAMPページの集計も未対応
さらに、GA4と従来版ユニバーサルアナリティクス(UA)には計測対象にも違いがあります。
Google社が開発・推奨してきたモバイル向けの軽量なWebフォーマットを利用したAMPページがGA4では未対応です。
従来版グーグルアナリティクスではAMPページのアクセスも対応しています。
AMPページはTwitterからの流入も2021年秋に通常ページになりましたが、以前としてGoogle検索からの流入はAMPページが表示されます。
そのため、検索流入が多いサイトでは、AMPページが計測できていないことにより、GA4とUAでは数値に差異が生じてしまっています。
GA4とUAの集計条件を同一にした誤差比較ツールを開発
前述した通り、従来Google Analyticsであるユニバーサルアナリティクス(UA)と新しいGA4のリアルタイムレポートは2つの差異によって、アクティブなユーザー数が一致しません。
- リアルタイムの集計期間がUA:5分、GA4:30分
- UAはAMPページ計測対象、GA4は計測対象外
そうした点もあることから気になるのが、「これまでのUAとGA4で数値にどれだけ差異があるか?」です。
UAとGA4で計測の仕組みが異なることもあり、数値差(誤差)があるかは確認しておきたいポイントです。
そこで、リアルタイムレポートにおいて、UAとGA4の集計条件を同一にした数値比較して誤差が分かるツールを開発しました。
GAのAPI(UAはGoogle Analytics API、GA4はGoogle Analytics Data API)を使った、Google Apps Script(GAS)製ツールです。
GASからGAのAPIにリクエストする際に以下のように取得することで、集計条件を統一しています。
- UAからはAMPページ除外
- GA4の集計期間を過去5分間に
ツールはGASが詳しくない人でも利用できるようになっていて、Google Analyticsにアクセス可能なGoogleアカウントであれば実行可能です。
A2セルにGA4のプロパティID、A4セルにUAのビューIDを設定し、実行間隔を1~15分で選んだ上で、トリガー登録すると、値が取得できます。
一致するタイミングもあるが、GA4とUAに差異も
実際にUAとGA4のリアルタイムレポートの数値比較ツールを稼働させると、数値が一致する箇所もあるものの、差異があるケースもあります。
上では1分間隔のリアルタイムのアクティブユーザー数を集計していますが、12レコードのうち、4レコードが数値一致しています(33.3%)。
しかし、それ以外の残り8つのレコードでは誤差が生じている状態です。
上記の結果からも、GA4とUAでは集計条件を同一にしても、数値が一致するわけではなく、差異があることがわかります。
このGA4とUAでの誤差は利用しているサイトによって、違いが生じる可能性が高いです。
そこで、どれぐらいばらつきがあるか、GA4とUAでの平均2乗誤差を算出してみることもできます。
このようにGA4とUAのリアルタイムレポート数値比較ツールで、アクティブなユーザー数の差異を確認することができます。
※従来版UAのリアルタイムレポートは数値がおかしくなるバグを抱えており、その影響で誤差が大きくなる可能性があります。
GA4とUAの数値比較ツールに興味ある方は問い合わせまで
GA4とUAの数値比較ツールは有償での提供を行っております。
そのため、リアルタイムレポートの数値にどれぐらい差があるか興味のある方はAutoworkerのお問い合わせからご連絡ください。
まとめ・終わりに
今回、Google Analyticsの従来版ユニバーサルアナリティクス(UA)と新しいGA4とのリアルタイムレポートの数値差異を比較できるツールを紹介しました。
Google Apps Script(GAS)を使って、集計条件を統一した形でGA4とUAそれぞれのGoogle AnalyticsのAPIにリクエストし、アクティブユーザー数を比較できるようになっています。
多くのGoogle Analytics利用ユーザーが2023年7月のサービス終了に向け、GA4移行を進めています。
ただ、UAからGA4に移行するにおいて、これまでの数値に差異がないかという点が気になるポイントです。
今回リアルタイムレポートの数値をGA4とUAで集計条件を5分間、AMPページ除外で同一にして集計することで、誤差を見える化できるようになっています。
もし、GA4とUAのリアルタイムレポートのアクティブユーザー数の差異がどれぐらいあるか興味がある方は、本サイトのお問い合わせページよりご連絡ください。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません