Gemini APIの利用料金を解説!GPT4やChatGPTのAPIと費用比較
Gemini Proが使えるGemini APIが2023年12月13日に公開されて、話題を集めています。
Gemini APIを試してみる際に把握しておきたいのがAPIの利用料金です。
そこで、Gemini APIの料金体系がどのようになっているか解説します。
さらに、競合であるOpenAIのGPT-4やChatGPTと比較してどちらがAPI費用が安いかも調査しました。
Gemini APIの利用料金はどれくらい?
Gemini APIを利用するにあたって気になるのが利用料金です。
APIを使えば、Gemini Proをプログラミング言語から手軽に利用することができます。
ただ、プログラムのコードに誤りがあると大量にGeminiAPIリクエストしてしまい、高額な費用が発生することがあります。
そうならないようにAPI利用料金を把握しておくことが大切です。
GoogleはGemini APIの公開のタイミングで、利用料金についても発表しています。
Gemini APIはAPIリクエスト回数ではなく、以下の3つの要素に対して従量料金が発生する料金体系です。
- テキストプロンプトの入力
- マルチモーダルの画像入力
- Gemini Proの出力応答
それぞれで発生する費用について個別に説明していきます。
プロンプト入力にかかる料金
Gemini APIのリクエストにセットする入力プロンプトは、1000文字あたり0.00025$かかります。
ChatGPTやGPT-4APIの生成AIではトークンという英語でいう単語ベースの単位でしたが、Gemini APIは文字単位となっています。
1ドル140円のレートで日本円の料金を計算すると、1000文字あたりたった0.035円です。
ブログやウェブメディアに多い3000文字程度の記事を要約を依頼しても、入力にかかる費用はたった0.1円しかかかりません。
マルチモーダルの画像入力にかかる料金
Gemini Proのマルチモーダルによる画像入力は、画像枚数に応じた料金体系です。
Gemini APIのリクエストでは画像1枚の入力につき0.0025$かかります。
1000文字あたりのプロンプトの料金よりも10倍の費用となっています。
そのため、日本円だと1ドル140円レートで0.35円で、1円を切る安さです。
ただ、マルチモーダルで入力する画像数が増える分、従量制で高くなっていきます。
※ただし、現時点のGemini Proのマルチモーダルは画像が増えるほど、解析性能が下がるので、あまり複数画像を扱うことは推奨されません。
Gemini Proの応答テキストにかかる料金
3つ目はユーザー側の入力ではなく、Gemini APIからの応答結果のテキストに発生する料金です。
Gemini Proが出力した応答文は、1000文字あたり0.0005$かかります。
同じテキストの入力プロンプトと比較すると2倍の単価です。
1ドル140円のレートで日本円の料金を計算すると、1000文字あたり約0.07円になります。
入力プロンプトよりも応答テキストの方が2倍の料金体系となっているのは、ChatGPTやGPT-4と同じです。
恐らくGoogleもGemini APIの利用料金を決めるにあたって、OpenAIのAPIの価格設定を参考にしたと推測されます。
2024年初頭までGeminiAPIは無料提供
Googleの英語版ブログによると、2023年12月現在のGemini APIはプレビュー版という扱いです。
そのため、上記で紹介したGemini APIの利用料は発生せず、無料で利用できます。
Googleの発表によると、2024年初頭に一般利用開始予定とのことです。
2024年1月中旬ぐらいまではGemini APIをどれだけつかってもAPI費用はかからないため、それまでに色々と使い方を試しておくことをオススメします。
vertex AIでのGeminiProも同じ料金体系
なお、GeminiをAPI経由で利用する方法として、Gemini API以外にVertex AIがあります。
Vertex AIのAPIをリクエストする際に、利用するAIモデルにGemini Proを選択すれば、Geminiを利用可能です。
Vertex AIでGemini ProをAPI利用する場合も、料金体系はGemini APIと同じになっています。
Gemini APIとVertex AIで価格体系が異なると分かりづらいので安心です。
GPT-4とGeminiのAPI費用を比較
Gemini APIの利用料金を競合であるOpenAIのGPT-4のAPIと比較してみます。
※GPT-4のAPI利用料金については下記のAutoWorkerの記事で詳しく解説しています。
※ただ、今回はマルチモーダル対応のGPT-4 Turboで比較してみます。
入力プロンプトは100倍の価格差
GPT-4 Turboの「gpt-4-1106-preview」で入力プロンプトにかかるAPI料金は、1000トークンあたり0.01$です。
Gemini APIで計算したレートで日本円にすると、1.4円になります。
トークンは日本語に関して言えば、1文字2,3トークンに換算されます。
仮に1文字平均2.5トークンだったとすると、1000文字のトークン数は2500です。
その結果、GPT-4 Turboの1000文字あたりの入力プロンプトにかかるAPI料金は3.5円になります。
あくまでシミュレーション結果ではありますが、Gemini API(1000文字あたり0.035円)の方が100倍も安い計算です。
応答出力はさらに150倍の価格差
GPT-4 Turboの「gpt-4-1106-preview」の応答出力のAPI利用料金は、1000トークンあたり0.03$です。
同じように1000文字あたりのAPI費用を計算すると、10.5円になります。
Gemini APIの応答出力(1000文字あたり0.07円)の方が150倍も安いです。
マルチモーダルの入力もGemini APIの方が安価
GPT-4 TurboもGemini APIと同じようにマルチモーダルの画像入力に対応しているので、比較してみます。
ただ、GPT-4 Turboのgpt-4-1106-vision-previewは画像サイズによってAPI料金が異なるので、比較が難しいです。
そこで、OpenAIのブログで書かれた1080×1080の画像の事例で比較してみます。
OpenAIによると、1080×1080の画像は1枚あたり、0.00765$とのことです。
日本円で計算すると、gpt-4-1106-vision-previewの画像入力は1.07円かかります。
Gemini APIの画像入力は0.35円だったので、3倍程度の差です。
以上から、GoogleのGemini APIとOpenAIのGPT-4 Turboを比較すると、コストパフォーマンスはGemini APIが勝っています。
ChatGPTとGeminiのAPI利用料はどちらが安い?
前段でGPT-4 TurboのAPIとの料金を比較しましたが、Gemini APIはGemini Proがモデルで、GPT-4よりもスペックは劣っています。
※GPT-4よりも性能が優れていると発表されているのはGemini Ultraです。
そこで、OpenAIのChatGPTとGemini APIの費用を比較してみます。
ChatGPTのAPI利用料金は以下の記事で解説しています。
ChatGPTにはマルチモーダル入力がないため、比較対象は入力プロンプトと応答出力の2つです。
比較方法はGPT-4と同様に算出してみた結果、以下になりました。
- 入力1000文字あたりのChatGPT APIの利用料:0.35円(Gemini APIの10倍)
- 出力1000文字あたりのChatGPT APIの利用料:0.7円(Gemini APIの10倍)
入力・出力ともにGemini APIの利用料金は、ChatGPTのAPIの1/10でした。
LLMとしてのスペック的に近いChatGPTに対してもGemini Proはとても安価と言えます。
GoogleはOpenAIにAPIの安さで勝負
GoogleはGemini APIではコストの面で大きく勝負をかけていると推測されます。
先行しているOpenAIのChatGPTとGPT-4のシェアを奪い取るには性能だけでなく、コスト面も重要だからです。
GoogleはGoogle Cloudで自社でクラウドコンピューティングの基盤を保持しています。
それゆえに、業務提携しているMicrosoftのAzureを利用するOpenAIに比べ、コストメリットが出しやすく、Gemini APIの低価格が実現できています。
ただ、GoogleのGemini APIの料金体系を受けて、OpenAIもGPT-4やChatGPTの API利用料金を値下げすることは十分に考えられます。
今後、OpenAIとGoolgeの生成AIの進め方に目を離せません。
GeminiAPI無料期間は入力データが学習利用
Gemini APIは2024年初頭まで無料で利用できるとアナウンスされています。
ただ、API無料期間には注意点があります。
Gemini APIをリクエストして入力したデータとGemini Proが応答した出力が学習データとして利用される点です。
APIの入力プロンプトがGemini Proの学習データとして蓄積されるので、他のユーザーの出力される可能性があります。
そのため、社外秘の情報や個人情報などの機密データは入力しないようにしましょう。
※Gemini APIの無料期間が終了したら、入力データの学習利用はされなくなります。
まとめ・終わりに
今回、Gemini APIの利用料金について紹介しました。
2023年12月に公開されたGemini APIは入力プロンプトと出力結果のテキスト分量によって従量制で費用が発生する仕組みです。
また、Gemini Pro Visionのマルチモーダル機能で画像をAPIで利用する場合は、1枚ごとに料金がかかります。
Gemini APIの利用料金は1000文字あたりの入力プロンプトが0.035円、応答出力が0.07円とめちゃくちゃ安価です。
OpenAIのGPT-4 TurboのAPIと比較しても圧倒的な低価格となっており、ChatGPTと比較しても安くなっています。
そのため、GPT-4 TurboのAPIではコスト面で難しかったこともGemini APIなら実現できるかもしれません。
さらに現時点ではプレビュー版のため、API利用料はかからずに無料利用可能なので、いくらでも試せます。
Gemini APIが無料利用できる今のうちに、APIを使い倒して、どんな活用方法があるか試してみましょう。
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