ChatGPT(GPT-4o)とGemini1.5とClaude3.5のAPIの費用比較!
現在生成AIとして注目を集めているのはOpenAIのChatGPTとGPT-4o、GoogleのGemini、Anthropic(アンソロピック)のClaudeの3種類です。
これら3つの生成AIはアプリ画面で利用する以外にAPIとしても提供されています。
それぞれAPIの利用料金は異なっているため、パッと見でどれがコストが安いか分かりません。
そこで、ChatGPT、Gemini、ClaudeのAPI利用料金を比較してどれが最も安く利用できるか料金を比較したいと思います。
主要な生成AIは①ChatGPT②Gemini③Claude
2023年から生成AIが大きな盛り上がりを見せていて、2024年になってもどんどん進化しています。
そんな生成AIで利用者が多いのは以下の3つが挙げられます。
- OpenAIのChatGPT(GPT-4o)
- GoogleのGemini
- AnthropicのClaude
これら3つの生成AIが日本でよく利用されており、いずれかを利用している人も多いと思います。
直近ではClaudeが驚異的なアップデートを行い、注目を集めています。
いずれもAPI経由での利用が可能
ChatGPTやGemini、Claudeの生成AIはいずれもアプリだけでなくAPIが提供されています。
APIはApplication Programming Interfaceの略でプログラミングからサービスを利用するフォーマットです。
APIを利用することでプログラミングに加えて、異なるサービスから各生成AIを利用できるようになります。
生成AIによる業務効率化、とりわけ業務自動化を進める上ではAPI経由の利用が必須です。
それぞれのAPIの利用料金はいくら?
ChatGPT、Gemini、Claudeの生成AIのアプリには有料プランもありますが、無料プランも用意されていて、タダで利用できます。
一方、各生成AIのAPIはいずれも有料の従量課金制となっています。
入力テキスト・画像と出力テキストに対して費用が発生する料金体系です。
それぞれの公式ページにてAPI利用料金が表形式で掲載されてます。
円安が進んでいることで最近は為替の影響がありますが、それでも1回数円程度で生成AIが利用できます。
APIの料金表は単位が異なり比較しづらい
ただ、生成AIをAPIでたくさん利用するようになると、API利用料はバカにならない金額になります。
1回1円で利用したとしても、1日1000回リクエストが発生すると、1日千円かかり、月額は3万円に達します。
そのため応答性能が重要ではあるものの、コストも生成AIで重視すべきポイントです。
ただ、先ほどChatGPT・Gemini・ClaudeのAPI利用料金を紹介しましたが、微妙に条件が異なっています。
ChatGPTとClaudeは100万トークンごとの料金に対し、Geminiは1000文字ごとの料金です。
さらにChatGPTとClaudeも同じトークンごとの料金ですが、トークンの算定方法が異なります。
また同じOpenAIのChatGPTとGPT-4oでも実は日本語のトークン数が異なる事象が起きています。
そのまま料金表の金額だけ見ると、Geminiが最も安いですが、1000文字と100万トークンは同じではありません。
料金表だけみていても、どの生成AIが最もコストが小さいか判断するのは難しいです。
同じ条件で生成AIの入力テキストの費用を比較
そこでChatGPT、Gemini、Claudeを同じ条件で比較して、それぞれで発生する費用を計算してみました。
出力についてはそれぞれの生成AIによる生成結果が異なるため、入力テキストを同じ文章のもので、文字数とChatGPTとClaudeのトークン数を調べ、費用を算出します。
なお、文字数とトークン数の算出にはHugging Faceに公開されている「The Tokenizer Playground」を使用します。
ここで3つの入力テキストでChatGPTとClaude、Geminiにかかる費用を比較して、最安の生成AIを特定します。
※今回はマルチモーダルの画像入力については調査対象外としています。
【日本語】小説・走れメロスの場合①
まずは日本語の小説で検証によく用いられる太宰治の走れメロスで調べてみます。
青空文庫(走れメロス)に全文が公開されているので、そちらを「The Tokenizer Playground」にコピペしてトークン数と文字数を確認しました。
なお、そのまま全文コピペしているため、ふりがなも含むテキストになっています。
生成AI | モデル | 入力 | 料金(日本円 1$160円) |
OpenAI | ChatGPT | 11,458トークン | 0.91664 |
GPT-4o | 8,922トークン | 7.1376 | |
Gemini 1.5 Flash | 10,146文字 | 0.20292 | |
Gemini 1.5 Pro | 10,146文字 | 2.0292 | |
Claude | Claude 3 Haiku | 11,343トークン | 0.45372 |
Claude 3.5 Sonnet | 11,343トークン | 5.44464 |
なお、GPT-4oについてはChatGPTとトークンの算出方法が変わっているため、直接APIリクエストしてトークン数を確認しています。
走れメロスの日本語文章を入力テキストとした場合、GoogleのGeminiが最もAPI利用料が安かったです。
汎用モデルのGemini 1.5 Flashに加え、Gemini 1.5 Proも上位モデルの中で最も安かったです。
次に安かったのがClaudeで、最も有名な生成AIのChatGPTは最もAPI費用がかかりました。
GeminiはClaudeに比べ半額以下のAPI利用料なので、かなり安いと言えます。
【日本語】NHKニュース記事の場合②
次にNHKのニュースサイトに掲載された記事で、NYダウ平均株価に関するビジネスの短いニュース記事です。
さきほどと同じ手順で記事の文章をコピペしてトークン数と文字数を調べました。
生成AI | モデル | 入力 | 料金(日本円 1$160円) |
OpenAI | ChatGPT | 504トークン | 0.04032 |
GPT-4o | 364トークン | 0.2912 | |
Gemini 1.5 Flash | 471文字 | 0.00942 | |
Gemini 1.5 Pro | 471文字 | 0.0942 | |
Claude | Claude 3 Haiku | 492トークン | 0.01968 |
Claude 3.5 Sonnet | 492トークン | 0.23616 |
走れメロス同様にNHKニュースの記事でもGeminiが最安でした。
このことから日本語の入力プロンプトの場合、Geminiが最もAPI利用料が安くなることがわかりました。
その次にClaudeが安く、実はChatGPTは他の生成AIよりも高めというのが判明しました。
【英語】CNNニュースの記事の場合③
最後は日本語文章ではなく、英語文章で試してみます。
CNNでトランプ元大統領が演説中に発砲されたニュースでトークン数と文字数を調査しました。
生成AI | モデル | 入力 | 料金(日本円 1$160円) |
OpenAI | ChatGPT | 1,574トークン | 0.12592 |
GPT-4o | 1,587トークン | 1.2696 | |
Gemini 1.5 Flash | 7,827文字 | 0.15654 | |
Gemini 1.5 Pro | 7,827文字 | 1.5654 | |
Claude | Claude 3 Haiku | 1,636トークン | 0.06544 |
Claude 3.5 Sonnet | 1,636トークン | 0.78528 |
英語の場合、トークン数よりも文字数のほうが大きい数字になりました。
英語のトークンは単語なので、アルファベットごとにカウントする文字数のほうが多くなるからです。
その結果、日本語でのテキストプロンプトとは逆にGeminiが最も高いという結果になりました。
ClaudeのAPI利用料が最も安く、ChatGPTが次いで安いという結果でした。
API利用料が最安の生成AIはGemini
日本語テキストとして小説とニュース記事、さらに英語テキストとして英文ニュース記事の3パターンでChatGPTとGemini、Claudeの3つの生成AIの入力費用を比較してみました。
その結果、汎用モデルの生成AIの中ではGoogleのGemini 1.5 Flashが最も費用が安いことが分かりました。
その次にAnthropic(アンソロピック)のClaude3.5 Haikuが安く、OpenAIのChatGPTが最も費用がかかる計算です。
さらにそれぞれの生成AIの上位モデルでもGemini Proが最安で次にClaude3.5 Sonnet、GPT-4oと同じ順番でした。
ただ、英語のプロンプトを利用する場合はClaude3.5 SonnetまたはClaude3 Haikuがコストパフォーマンスに優れています。
まとめ・終わりに
今回、主要な生成AIとして注目を集めているOpenAIのChatGPT、GoogleのGemini、AnthropicのClaudeの3つについてAPI利用料金を比較してみました。
これら3種類の生成AIはAPIも提供されていて、プログラミングや他サービスからも利用できます。
ただAPIは従量課金制の有料なのですが、それぞれの生成AIで料金体系がトークン数や文字数単位と微妙に違って費用比較が難しい状態でした。
そこで3つの入力テキストのパターンでChatGPTとGeminiとClaudeどれぐらい費用がかかるか調査しました。
その結果、GoogleのGeminiが入力テキストのAPI利用料が最も安いことが分かりました。
その次にClaudeが安く、ChatGPTが最も高いという結果でした。
そのため、生成AIをAPIできるだけ安く使いたい場合はGeminiがおすすめです。
求める性能を満たしている生成AIの中から、できるだけ安く済ませられる生成AIを選択しましょう。
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