ChatGPTのAPIでAIサービス個人開発はGoogle Apps Script(GAS)がオススメ!
2023年3月にChatGPTのAPIが登場したことで、ChatGPTを活用したサービスやアプリが多数開発されるようになりました。
個人開発でChatGPTのAPIを利用する場合には、無料かつ簡単に使えるGoogle Apps Script(GAS)がオススメです。
そこで、ChatGPTのAPIを使った個人開発にGASがおすすめな理由を解説します。
※今回の内容は、TechFeed Experts Night16での発表をベースに執筆しています。
2023年は画像生成AIや文章生成AIが大流行
2023年も昨年からの流れを受けて、生成系AIがますます大流行しています。
TwitterやQiitaなどの技術界隈では、毎日新しい情報が投稿され、猫も杓子も生成系AIという状態です。
- 2022年に画像生成AIとして大きな注目を集めたStable Diffusion
- 2022年の年末に登場し日本中が熱狂しているChatGPT
- ChatGPTを開発したOpenAIと業務提携し、Googleの検索シェアを着実に奪っているBingAI
こうした画像生成AIや文章生成AIといった、AIによるアウトプットに加え、テキストだけでなく画像入力も可能なマルチモーダルなども登場しています。
未来のテクノロジーと考えられていたものが、AI技術の進歩によってもうすぐというところまで来ています。
最も注目を集める生成系AI「ChatGPT」
そうした色々登場してきている生成系AIの中で、最も注目を集めているのがChatGPTです。
誤った情報が含まれることがあるものの、日本語でも自然な文章が生成されるので、2022年12月から日本人が夢中になっています。
2023年3月にはChatGPTよりもさらに性能が向上したGPT-4が登場し、難関試験をも突破するほどの精度です。
先日もChatGPTの開発元であるOpenAIのCEOサム・アルトマンが来日したことが大きく報じられました。
岸田総理と対談したり、自民党の会合に出席したニュースを見た人も多いと思います。
※AutoWorkerでも下記の記事でOpenAIのサム・アルトマンCEOの来日について紹介しています。
2023年3月にChatGPTのAPIが登場
そんなChatGPTですが、2023年3月にChatGPTのAPIが発表されました。
APIはApplication Programming Interfaceの略語です。
APIを使えば、ChatGPTをプログラミング言語から簡単に利用できるようになります。
ChatGPTを活用したアプリを開発したり、自社サービスにChatGPT機能を組み込むことが可能です。
それまではChatGPTはAPI経由では利用できず、同じGPT-3.5系の言語モデルであるtext-davinciしか利用できませんでした。
しかし、ChatGPTのAPIが登場したことで、多くの企業や個人開発者がChatGPTを取り入れたアプリを開発しています。
プレスリリース情報サイトであるPR TIMESで、「ChatGPT」について検索したところ、たった数時間の間にChatGPTが含まれたプレスリリースが多数ヒットしました。
このようにChatGPTがAPI経由で利用できるようになったことで、ChatGPTのAPIを使ったサービスが毎日何個も誕生しています。
ChatGPTのAPI登場で開発競争が激化
ただ、企業を含めたChatGPTのAPIを使った開発が加速したことは個人開発者にとってはマイナスな面も出てきています。
それは企業によるChatGPT活用サービスが多数発表されることで、個人開発したサービスが埋もれやすくなることです。
これまではQiitaなどでもChatGPTを活用したサービスの紹介記事が掲載されると注目を集めました。
しかし、個人開発だけでなく、企業が開発したChatGPTサービスがどんどん発表されることで、話題になりづらくなっています。
ChatGPTのAPIはトライアル用の無料利用枠があるものの、利用料に応じた従量課金が発生します。
さらに、クラウドサービス利用やインフラ周りで費用も発生し、一定のランキングコストがかかります。
そうしたコストがかかるものの、ユーザーが集まらないサービスは時間経過とともにサービス終了を迎える可能性が高いです。
サービス開発に重要な要素「爆速」
そんな徐々にヒットが難しくなっているAIサービス開発において、重要な要素が「最速」です。
誰よりも速く開発することがヒットの可能性を高めてくれます。
例えば、ChatGPTのAPIが登場した時に話題になったのがAIチャットくんです。
AIチャットくんはChatGPTをLINEで使えるLINEアカウントで、リリースから3日で利用者が20万人を突破、今では100万人以上の友だちがいます。
このAIチャットくんは、ChatGPTのAPIが日本時間2023年3月2日に発表され、半日ほど経過したその日に公開されました。
このように誰よりも速く、最速で開発することで、注目を集めることができます。
高速のAIサービス開発におすすめなGAS
そうした爆速開発するためにオススメなのが、今回のライトニングトークのメインであるGoogle Apps Script(GAS)です。
GASはグーグル社が提供するスクリプトサービスで、無料で利用できます。
Javascriptライクな表現で、ChatGPTなどのAPIと簡単に連携可能です。
HTMLを容易すればWebアプリケーションも作成できます。
GASはブラウザ上で利用できるスクリプトエディタから超簡単にデプロイができるので、圧倒的難易度の低さがおすすめなポイントです。
GASを使って開発すれば、無料・簡単・高速にChatGPTのAPIを使ったアプリ開発に取り組めます。
※ChatGPTのAPIを使ったGASでリクエストするサンプルコードの解説記事はこちら↓
AWSやGCPはアーキテクチャ設計が必要
もしGoogle Apps Script(GAS)を使わず、一般的なクラウドサービスで開発するとなると、どうなるでしょうか?
みなさん、クラウドシェアの高いAWSやGCPを採用するかと思います。
こうしたクラウドサービスでは、まずアーキテクチャ設計が求められます。
AWSであればEC2やS3、Lambda、RDB、GCPならGCEやCloud Storage、Cloud Functionなど、どういった構成を採用するか考えなければなりません。
そのためにはサービスとしての可用性や、開発しやすさ、コストも考慮が必要です。
そうしたクラウドの準備からアーキテクチャ設計まで必要で、時間がかかってしまいます。
GASは無料・高速でプロトタイプ開発可能
一方、Google Apps Script(GAS)であれば、Googleアカウントさえあれば無料ですぐに利用できます。
クラウド上のスクリプトエディタにブラウザで開発でき、ネット上にも事例が多数掲載されています。
そうした情報を参考にすれば、ChatGPTのAPIを活用したサービスのプロトタイプを高速に開発できます。
Googleが提供するスプレッドシートやGmailなどの連携サービスや、ウェブアプリ、LINEアカウント、Slackボットなど開発可能です。
例えばLINEアカウントであれば、GASで開発経験があればAIチャットくんのように半日で実装できます。
GASでChatGPTのLINEアカウントを高速開発
Google Apps ScriptによるLINEアカウントの開発事例として、AutoWorkerでは2つのLINE botを開発しました。
GPT応答AIダヴィンチさんとモテチャットGPTは、OpenAI(ChatGPT)のAPIを活用したLINEアカウントを短期間で開発しました。
これらのサービスは速く開発できたことで、1000人以上に利用いただくことができました。
さらに有料プランを用意してみたところ、実際に申込も発生し、収益化にも成功しています。
このようにGASを使ったスピーディーな開発によってユーザーの注目を集め、多くの方に利用してもらえるサービス開発が可能です。
大規模・高負荷なサービスはGASでは難しい
ただ、Google Apps Script(GAS)も万能かといえば、そうではありません。
GASは大規模なシステムや高負荷のサービスには向いていません。
サービスの規模が一定を超えた場合には、前述したクラウドサービスにリプレースが必要です。
ただ、いきなりクラウドサービスで展開して、開発に時間がかかって、サービスがヒットしないよりも、まずGASでChatGPTのサービスを爆速開発して認知を獲得し、スケールできるタイミングでクラウドに載せ替える形がオススメです。
まとめ・終わりに
今回、個人開発でChatGPTのAPIを利用する場合には、無料かつ簡単に使えるGoogle Apps Script(GAS)がオススメな理由を紹介しました。
ChatGPTのAPIが登場して、ChatGPTを活用したサービスが多数生まれる中、個人開発したサービスが埋もれやすくなっています。
ユーザーの注目を集めるには爆速でサービス開発することが大切です。
新しい技術が出たら、最速で開発すればバズって多くの方に利用してもらえます。
AWSやGCPのようなクラウドサービスの場合、プログラミングの前にアーキテクチャ設計が必要で、時間がかかります。
しかし、GASであれば、無料で簡単、高速にサービスのプロトタイプが開発可能です。
AIサービスを開発する際には、GASを選択肢としてぜひ検討してみてください。
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